在宅医療を受けている家族の災害への備え|停電・連絡・避難「3つの柱」をわかりやすく解説

在宅医療を受けている家族の災害への備え|停電・連絡・避難「3つの柱」をわかりやすく解説

※ 2026年8月更新(避難行動要支援者名簿の対象要件、申請の方法、個別避難計画の法的根拠を追記しました。詳しくは末尾の「2026年8月の更新について」をご覧ください)

「一般的な防災リストでは足りない」——在宅療養のご家庭が抱える不安

この章では、在宅療養のご家庭ならではの災害リスクを整理し、何から手をつければよいのかをはっきりさせます。

水と食料だけでは守れないもの

一般的な防災リストの中心は、水・食料・懐中電灯・簡易トイレといった「暮らしを守る備え」です。もちろんこれらは在宅療養のご家庭でも必要ですが、それだけでは足りません。医療とともに暮らすご家庭には、さらに3つの備えが求められます。

  • 電源の備え——人工呼吸器や吸引器など、電気で動く医療機器を使っている場合
  • 医療材料の備え——処方薬、栄養剤、衛生材料など、切らすと困るもの
  • 連絡の備え——訪問診療・訪問看護など、支援チームとつながり続ける手段

処方薬や栄養剤・衛生材料をどの程度手元に置いておけるかは、診療や看護の状況によって一人ひとり異なります。「災害に備えて、どれくらい余裕を持っておけますか」と、訪問診療医や訪問看護師に一度確認しておくと安心につながります。

「避難できる前提」の防災情報が当てはまらないという現実

町内会の避難訓練や自治体の防災パンフレットは、多くの場合「歩いて避難所へ行ける人」を想定しています。しかし、ベッドの上で過ごす時間が長い方や医療機器を使っている方にとっては、避難所への移動そのものが大きなハードルです。地震でエレベーターが止まれば、車いすでの移動はさらに難しくなります。

だからこそ、在宅療養のご家庭では「必ず避難所へ行く」と決めつけず、自宅の安全が確保できる場合の在宅避難も含めて、事前に選択肢を整理しておくことが大切です。その出発点になるのが、お住まいの地域のハザードマップで、洪水・土砂災害・地震などのリスクを知っておくことです。岡山市のハザードマップは市の公式サイトで確認できます。

完璧を目指さなくて大丈夫——優先順位は3つに絞れる

やるべきことを数え上げるときりがなく、それが「結局、何もできていない」という自責につながりがちです。まずは「電源」「連絡」「避難」の3つの柱に絞って、順番に整えていきましょう。次の章から、一つずつ具体的に見ていきます。


柱①「電源」の備え——停電から医療機器のある暮らしを守る

この章では、停電への備えを「情報をいち早く知るしくみ」と「相談先を決めておくこと」の2つに分けて解説します。

停電情報をいち早く知るしくみをつくる

岡山県を含む中国地方の送配電を担う中国電力ネットワークは、公式の停電情報アプリを提供しています。自宅の地域を登録しておくと、停電の発生や復旧の情報がスマートフォンにプッシュ通知で届きます。地域は複数登録できるため、離れて暮らすご家族の住まいを登録しておく使い方も可能です。

また、自宅の電気が消えたときは、まず隣近所も停電しているかを確認します。自宅だけが消えている場合はブレーカーの確認を、周囲も停電している場合は復旧を待ちながら、次の項でご紹介する連絡行動に移ります。

非常用電源・バッテリーは「機器ごとに」確認しておく

人工呼吸器・吸引器・在宅酸素などの医療機器は、内蔵バッテリーの駆動時間も、外部バッテリーや発電機との相性も、機種によって大きく異なります。インターネット上の一般的な目安をうのみにせず、ご自身の機器について確認しておくことが、停電への備えの核心です。

確認先は、主治医(訪問診療医)、訪問看護師、そして機器の取扱業者です。次のような質問を、平時のうちに聞いておきましょう。

  • 停電が起きたら、この機器についてまず何を確認すればよいか
  • 内蔵バッテリーで何時間動くか。外部バッテリーは使えるか
  • バッテリーを日常的にどう充電・点検しておけばよいか
  • 機器業者の緊急連絡先はどこか(24時間対応の窓口があるか)

答えを聞いたら、紙に書いて機器の近くに貼っておくことをおすすめします。緊急時には、スマートフォンの中の情報より、目の前の紙のほうが頼りになります。

※ 医療機器の停電時対応は機種や病状によって異なります。この記事では一律の目安を示していません。必ずご自身の担当チーム(主治医・訪問看護師・機器業者)にご確認ください。

停電が起きたら、誰に連絡するかを決めておく

停電時の連絡先として、訪問看護ステーション・訪問診療のクリニック・機器業者の3つを、電話の近くや冷蔵庫など目につく場所に掲示しておきましょう。あわせて、スマートフォンの充電用にモバイルバッテリーを1つ用意しておくと、停電中も連絡手段と情報収集の手段を保てます。


柱②「連絡」の備え——「つながらない」を想定しておく

この章では、災害時に電話がつながりにくくなることを前提に、安否と医療情報を伝えるための備えを解説します。あわせて、冒頭で挙げた「医療材料の備え」についても、この章で整理しておきます。

災害用伝言ダイヤル(171)の使い方と家族での事前練習

大きな災害が起きると、電話回線が混み合い、家族どうしでも連絡が取りにくくなります。そこで役立つのが、NTT西日本・NTT東日本が提供する災害用伝言ダイヤル「171」です。「171」にダイヤルし、音声ガイダンスに従って自宅などの電話番号を入力すると、声の伝言を録音・再生できます。

大切なのは、一度使ってみておくことです。毎月1日と15日、正月三が日、防災週間(8月30日〜9月5日)、防災とボランティア週間(1月15日〜21日)には体験利用ができます。「災害のときは171にお父さんの状況を吹き込む」と家族で決めて、体験利用日に一度練習しておくと、いざというときに迷いません。

「切らすと困るもの」を5つに分けて整理する

水と食料は多くのご家庭で用意されています。在宅療養では、それに加えて医療材料と薬の備えが必要になります。何から揃えればよいか迷ったときは、次の5つに分けて考えると整理しやすくなります。

分類備えておきたいもの
医療材料ガーゼ、消毒用品、カテーテル類、栄養剤など普段お使いのもの
衛生用品おむつ、清拭シート、手袋、ごみ袋
薬関係内服薬の予備、お薬手帳(写しでも可)
水・食料飲料水、経管栄養の方は栄養剤と水分
情報かかりつけ医・訪問看護・ケアマネジャーの連絡先

※ これは一般的な目安です。必要なものと量は、ご本人の状態、使用している機器、処方の内容によって異なります。実際に何をどれだけ備えるかは、主治医、訪問看護師、薬剤師、ケアマネジャー、機器の提供事業者に、平時のうちにご相談ください。

とくに見落としやすいのがお薬手帳です。避難先で別の医師に診てもらうことになったとき、何をどれだけ服用しているかがわかる資料が手元にあると、状況を伝えやすくなります。写しを1枚、持ち出し袋に入れておく方法について、かかりつけの薬剤師に相談しておくとよいでしょう。

医療情報を1枚にまとめておく——「話せない」場面に備える

災害時には、ご本人やご家族が医療情報をうまく伝えられない場面が起こりえます。搬送先や避難先で支援にあたる人が正しく状況を把握できるよう、次の情報を1枚の紙にまとめておきましょう。

  • 病名と現在受けている医療的ケア(例:経管栄養、たんの吸引、人工呼吸器)
  • 使用中の医療機器の名称・型番
  • お薬手帳のコピー(薬の名前・量がわかるもの)
  • アレルギーや注意事項
  • かかりつけの訪問診療・訪問看護・ケアマネジャーの連絡先

この「医療情報カード」は、非常持ち出し袋の中と、普段使うかばんの中の2か所に入れておくのが理想です。

ただし、ここに書く病名・医療的ケア・薬・アレルギーは、取り扱いに配慮が必要な情報です。封筒やケースに入れたうえで、どこに置いてあり、災害時に誰へどこまで見せるのかを、ご家族のあいだで確認しておきましょう。必要な人に必要な範囲で渡せる状態にしておくことと、普段むやみに見られない状態にしておくことは、両立できます。

内容の更新は、処方・医療的ケア・使用している機器・連絡先に変更があったときにその都度行ってください。あわせて、年に一度は古くなっていないか確認する機会を設けておくと安心です。

支援チームの連絡先を「紙でも」持つ

スマートフォンの電池が切れたり、端末が壊れたりすれば、電話帳の中の連絡先は取り出せなくなります。訪問診療・訪問看護・ケアマネジャー・機器業者の連絡先は、紙に書いて自宅に掲示し、医療情報カードにも記載しておく。この「アナログの二重化」が、災害時には効いてきます。


柱③「避難」の備え——多くのご家庭が見落としている「個別避難計画」

この章では、備蓄品の話よりもさらに大切なのに見落とされがちな、「避難のしくみ」への備えを解説します。

避難行動要支援者名簿とは?——岡山市の制度

高齢の方、障がいのある方、乳幼児、妊産婦、外国人の方など、災害時に何らかの配慮を必要とする方を「要配慮者」といいます。そのうち、自ら避難することが難しく特に支援を必要とする方が「避難行動要支援者」です。市町村には、その名簿の作成が法律で義務づけられています。

岡山市でも、要件に該当する在宅の方を対象に名簿が作成されています。平常時に、町内会・自主防災組織・民生委員・消防局などの避難支援等関係者へ名簿の情報を提供するには、原則としてご本人の同意が必要です。提供された情報は、平常時の見守りや、災害に備えた避難支援の準備に活用されます。

一方、災害が発生したとき、または発生するおそれがあるときには、ご本人の生命や身体を守るために特に必要と認められる場合、避難支援などに必要な範囲で情報が提供されることがあります。この場合はご本人の同意を得ることを要しないと法律で定められています(災害対策基本法第49条の11)。

つまり、「うちにこういう人がいます」ということを、災害が起きる前に地域に知っておいてもらう仕組みです。

名簿の対象になるのはどんな方か

岡山市では、在宅で生活されている方のうち、次のいずれかに該当する方が対象とされています。

区分対象となる方
要介護認定3から5を受けている人
身体障害者手帳1・2級(総合等級)の第1種を所持する身体障害者(心臓、じん臓機能障害のみで該当する方は除く)
療育手帳Aを所持する知的障害者
精神障害者保健福祉手帳1級を所持する者、地域定着支援を利用している精神障害者
障害福祉サービスの介護給付等を受けている難病患者
ア〜オ以外で、避難に支援が必要な人で、名簿への掲載を申請した人

※ 施設に入所している方、長期入院中の方は、施設や病院での支援が受けられるため対象外です。

出典:岡山市「避難行動要支援者に関する取組」https://www.city.okayama.jp/kurashi/0000037616.html(2026年8月現在)

「カ」の区分——申請すれば名簿に載ることができます

注目していただきたいのが「カ」の区分です。ア〜オの要件に当てはまらなくても、避難に支援が必要だと感じておられるなら、申請によって名簿に載ることができます。

たとえば要介護2でも医療機器を使っている方、ご家族が日中不在になる時間が長い方などは、この区分での相談が考えられます。「うちは要件に当てはまらないから」とあきらめる必要はありません。

岡山市ではどこに申し出るのか

「カ」の要件で名簿への掲載を希望される場合は、申請書を岡山市の危機管理室へ提出します。様式(避難行動要支援者名簿登録・変更申請書兼同意書)は岡山市のホームページからダウンロードできます。

岡山市 危機管理室 電話:086-803-1082

ア〜オに該当していて「うちは対象になるのだろうか」「同意書はどうすればいいのか」と迷ったときは、この窓口のほか、ケアマネジャーに相談するのが近道です。

※ 岡山市役所は2026年(令和8年)8月から11月にかけて、部署ごとに順次新庁舎へ移転しています。危機管理室の窓口の場所も変わる可能性がありますので、来庁される前に岡山市の公式サイトで最新の所在地をご確認ください。

個別避難計画——「誰が・どこへ・どうやって」を事前に決めておく

名簿への掲載は、いわば入口です。実際の避難を支えるのは、「誰が支援し、どこへ、どうやって避難するか」を一人ひとりについて事前に決めておく「個別避難計画」です。

令和3年の災害対策基本法の改正により、この計画の作成が法律に位置づけられました。同法第49条の14は、市町村長が、名簿に載っている避難行動要支援者ごとに個別避難計画を作成するよう努めなければならないと定めています(ご本人の同意が得られない場合を除きます)。

岡山市では、町内会や自主防災組織、福祉事業者等が中心となって計画の作成が進められています。名簿に掲載されている方が、計画作成の対象です。

ただし、名簿に載っている方全員について、ただちに計画が作成されるわけではありません。国の指針では、市町村の限られた体制の中でできるだけ早期に作成されるよう、優先度が高い方から作成することが適当とされています。優先度を判断する際の考え方として、国は次の3つを挙げています。

  • 地域におけるハザードの状況(浸水想定区域、津波災害警戒区域、土砂災害警戒区域など)。ハザードマップ上、危険な場所にお住まいの方は特に優先的に作成すべきとされています
  • ご本人の心身の状況、情報取得や判断への支援が必要な程度人工呼吸器など医療機器の電源が失われることが命にかかわる方については、優先度を判断する際に留意が必要とされています
  • 独居などの居住実態、社会的孤立の状況。日中独居や、避難をともにするご家族の支援力が弱い場合も留意点として挙げられています

国はこの優先度の考え方を示したうえで、令和3年の改正法施行後からおおむね5年程度——令和3年度から令和7年度までの期間で、優先度が高いと市町村が判断した方の計画作成に取り組むことが適当としていました。この期間はすでに経過しています。令和8年度以降の作成の進み方や、ご自身が対象になるかどうかは、岡山市にお問い合わせください。

在宅で医療機器を使っておられる方は、この優先度の考え方に当てはまりやすい立場にあります。ご家族としてできる第一歩は、ケアマネジャーや相談支援専門員に「個別避難計画を作りたい」と伝えることです。日頃の心身の状態を知る専門職が関わることで、実情に合った計画になります。名簿への登録を考えるときは、個別避難計画についてもあわせてご相談ください。

出典:e-Gov法令検索「災害対策基本法」第49条の14 https://laws.e-gov.go.jp/law/336AC0000000223/内閣府(防災担当)「避難行動要支援者の避難行動支援に関する取組指針」(平成25年8月・令和3年5月改定)https://www.bousai.go.jp/taisaku/hisaisyagyousei/youengosya/r3/index.html

「在宅避難」という選択もあります

自宅の安全が確保できる場合には、無理に避難所へ向かわず自宅にとどまる「在宅避難」も選択肢のひとつです。医療機器を使っている方にとっては、環境が変わらないことの利点は小さくありません。

ただし、どちらを選ぶかを平時に決めきってしまうことはおすすめしません。実際の判断は、災害の種類や規模、ご自宅の被害の状況、医療機器が動いているかどうか、そして自治体から出される避難情報によって変わるためです。

平時にしておきたいのは、ハザードマップでご自宅のリスクを確認し、在宅避難ができる条件と、避難が必要になったときの移動先・連絡先を支援チームと整理しておくことです。そのうえで災害時には、ご自宅の状況と自治体からの避難情報を確認し、必要と判断されるときは早めに避難してください。判断に迷う場合は、岡山市の担当窓口や地域包括支援センター、支援チームにご相談ください。

福祉避難所という選択肢

福祉避難所は、高齢の方や障がいのある方など、一般の避難所での生活に特別な配慮が必要な方のために開設される避難先です。高齢者福祉施設などの中に開設され、施設や災害時の状況に応じて、福祉的な配慮のもとで受け入れが行われます。受け入れの対象や設備、利用までの流れは、施設や開設時の体制によって異なります。

岡山市の福祉避難所は、施設側の受け入れ体制が整った段階で開設されます。また、一般の避難所での生活が困難であることがあらかじめ明らかな方については、一般の避難所を経由せず、自宅から福祉避難所へ直接避難できるよう市が調整を行うとされており、事前の相談窓口が案内されています。詳しい対象や流れは、岡山市の公式サイトで確認しておきましょう。

※ 配慮が必要な方のための避難先は、お住まいの地区によって案内先が異なります。岡山市の担当窓口や地域包括支援センターにご相談ください。

備えは家族だけで完結しない——支援チームと「共有」してこそ機能する

ここまでお読みいただいて、お気づきかもしれません。水や食料の備蓄は家庭の中だけで完結しますが、在宅療養の方の避難は、支援する側と共有された計画があって初めて機能します。ご家族がどれだけ入念に準備しても、その内容を訪問診療医も訪問看護師もケアマネジャーも知らなければ、災害時にチームは動けません。

サービス担当者会議や訪問の機会に、「災害のときはどうしましょうか」と一度話題にしてみてください。それだけで、備えは「家族の努力」から「チームの計画」に変わります。


はれのくに在宅クリニックの災害への取り組み

最後に、私たち自身の備えについてもご報告します。

2026年5月、BCP・防災訓練を実施しました

はれのくに在宅クリニック杜の街では、2026年5月、クリニックのBCP(事業継続計画)に基づく防災訓練を実施しました。地震の発生を想定し、スタッフの身の安全の確保、安否確認と連絡体制、建物からの避難手順、備蓄品の点検などを実際に確認しています。訓練で見つかった改善点は計画に反映し、継続的に見直しを行っていきます。

災害時の診療継続に向けたBCP

BCPとは、災害などの非常時に、事業をどう継続し、どう早期に再開するかをあらかじめ定めておく計画のことです。在宅医療のクリニックにとってそれは、「災害のあとも、患者さんのご自宅へ診療に伺い続けるための計画」にほかなりません。

なお、2026年度(令和8年度)の診療報酬改定では、在宅療養支援診療所・病院の施設基準に、業務継続計画(BCP)の策定と定期的な見直しを行うことが加わりました。災害時にも在宅患者への診療体制を確保するための要件です。

出典:厚生労働省「令和8年度診療報酬改定 8. 質の高い在宅医療の推進」https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001686053.pdf

当院は、人工呼吸器や経管栄養など医療依存度の高い方の訪問診療を行っているからこそ、平時からの備えを重視しています。災害時の状況を踏まえながら、患者さんへの診療・連絡体制をできる限り維持できるよう備えています。ご自身やご家族の災害への備えについて気になることがあれば、訪問の際にお気軽にお尋ねください。


よくあるご質問

Q. 要介護2ですが、避難行動要支援者名簿に登録できますか?

A. 岡山市では、ア〜オの要件に当てはまらない方でも、避難に支援が必要と考えられる場合は申請によって名簿に掲載される区分(カ)が設けられています。まずは岡山市の危機管理室、またはケアマネジャーにご相談ください。

Q. 名簿に登録すると、個別避難計画も作ってもらえますか?

A. 名簿に掲載されている方が計画作成の対象になりますが、全員についてただちに作成されるわけではありません。国の指針では優先度が高い方から作成することとされており、ハザードマップ上リスクの高い地域にお住まいの方や、医療機器の電源喪失が命にかかわる方などが優先度の判断で考慮されます。作成を希望される場合は、ケアマネジャーや相談支援専門員にその意向を伝えてください。

Q. 避難所へは行かず、自宅にとどまってもよいのでしょうか?

A. 自宅の安全が確保できる場合は「在宅避難」も選択肢です。ただし、どちらにするかを平時に決めきる必要はありません。ハザードマップでご自宅のリスクを確認し、在宅避難ができる条件と避難先を整理しておいたうえで、災害時には自治体からの避難情報とご自宅の状況を見て判断してください。判断に迷う場合は、岡山市の担当窓口や地域包括支援センターにご相談ください。

Q. お薬手帳は持ち出したほうがよいですか?

A. ぜひお持ちください。避難先で別の医師に診てもらう場合、服用中の薬がわかる資料があると、服用内容を正確に伝えやすくなります。原本が難しければ、写しを持ち出し袋に入れておく方法もあります。持ち出し方については、かかりつけの薬剤師にご相談ください。


まとめ|今日できる「最初の一歩」を3つだけ

在宅医療を受けているご家族の災害への備えは、「電源」「連絡」「避難」の3つの柱で考えると整理できます。最後に、今日からできる最初の一歩を3つだけ挙げます。

  • 中国電力ネットワークの停電情報アプリをスマートフォンに入れる
  • 次の171体験利用日(毎月1日・15日)をカレンダーに登録し、家族で練習する
  • 次にケアマネジャーや訪問看護師と会うとき、「災害のときはどうしましょう」と話題にする

すべてを一度に整える必要はありません。困ったとき、迷ったときに相談できる先があること——それ自体が、何よりの備えです。


2026年8月の更新について

本記事は2026年8月に内容を更新しました。主な追記は次のとおりです。

  • 避難行動要支援者名簿の対象要件(区分ア〜カ)を表で追加しました
  • 「カ」の区分(申請による掲載)と、岡山市危機管理室への申請方法を追加しました
  • 個別避難計画の法的根拠を、災害対策基本法第49条の14の条文にもとづいて整理しました
  • 国の指針が示す作成の優先度の考え方(ハザードの状況、心身の状況、居住実態)と、取組期間(令和3年度〜令和7年度)がすでに経過していることを追加しました
  • 医療材料と薬の備えを5つに分類した表を追加しました
  • よくあるご質問を新設しました

出典

※ 本記事の内容は2026年8月現在の情報に基づいています。制度の運用は変わることがあります。最新の情報は各公式サイトでご確認ください。

はれのくに在宅クリニック 杜の街

〒700-0907 岡山県岡山市北区下石井2-10-8 杜の街グレース 杜の街プラザ5F

TEL:086-236-7750(診療時間内)

お問い合わせフォーム:https://harenokuni-clinic.jp/contact/

監修:入江 真大

はれのくに在宅クリニック杜の街 院長/一般社団法人土屋雉翔会 代表理事。岡山大学医学部卒業後、呼吸器外科医として肺移植などの高度外科医療に従事。慢性期病棟、長島愛生園での勤務を経て、在宅医療の道へ。2025年10月にはれのくに在宅クリニック杜の街を開院。外科的処置・経腸栄養管理・人工呼吸器管理など医療依存度の高い患者にも対応し、1歳から100歳まで幅広い年齢層の訪問診療を行っている。ドクター紹介はこちら

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